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経済

行動経済学の本で見つけた「思わず話したくなるネタ」

投稿日:

実験結果

お読みいただきありがとうございます。ミズサキです。

世の中には「人に話したくなるネタ」というものがあります。

雑学とか「意外な事実」といった類のものです。

 

私自身はあまり雑学を人に話したいと感じる方ではありません。

ところが、最近行動経済学の本を読んでいたら、とても面白い(興味深い)話を見つけ、思わず話したくなってしまいました。

そこで今日は、行動経済学の本で見つけた「思わず話したくなるネタ」について、お話します。

行動経済学とは

行動経済学は、心理学の手法を用いて人間の経済行動を分析しようとする新しい学問分野です。

伝統的な経済学では、人は常に自分の利益を最大化するような合理的な存在であることを前提として分析を進めます。

しかし実際の人間は、間違いを犯したり、感情に流されたりするなど、必ずしも伝統的な経済学で想定されるほど合理的ではありません。

行動経済学は実験などを用いて、これまで捉えられなかった、より現実的な人間行動を解き明かそうとします。

行動経済学の実験事例にみる「トリックアート」

トリックアート

これから述べるのは、私が「アリエリー教授の「行動経済学」入門ーお金篇ー [ ダン・アリエリー ]」という本を読んでいて、思わず話したくなった「ネタ」です。

行動経済学者として有名なダン・アリエリー教授(デューク大学)が、マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院生を被験者に実験を行いました。

エコノミスト誌(週刊経済雑誌です)について、3つの購読プランから1つを選択します。

①エコノミスト誌オンライン版の年間購読:59ドル

②エコノミスト誌印刷版の年間購読:125ドル

③エコノミスト誌印刷版とオンライン版セットの年間購読:125ドル

みなさんなら、どれを選びますか?

 

優秀な頭脳を持ったマサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院生たちの回答結果は以下のようになりました。

①:16%

②: 0%

③:84%

印刷版だけで125ドルのところ、③なら無料でオンライン版も購読できます。

そりゃあ③を選びますよね?

 

ところが、誰も選ばない②の選択肢を除外して選択肢を2つにすると、状況が一変します。

①エコノミスト誌オンライン版の年間購読:59ドル

③エコノミスト誌印刷版とオンライン版セットの年間購読:125ドル

さっきと比べると、セットの「お得感」がかなり薄れているように感じます。

実際MITの大学院生の選択結果は以下のようになりました。

①:68%

③:32%

③のセット購読を選ぶ人は最初と比べて52%も激減してしまいました。

もともと誰も選ばない選択肢を外しただけなので、何も選択に制限が加わったわけではありません。にもかかわらず、これだけの変化が生まれるのです。

まるでトリックアートみたいです。

これは面白い!

 

②と③の選択肢は価格が同じで内容も似ており、比較しやすくなっています。

だから、②と③だけを比べることに意識が集中し、「実は割安なオンライン版だけで十分なのではないか」といった思考が働きににくくなるのです。

 

これをマーケティングの観点から考えてみましょう。

選択肢が①と③だけの場合、3分の2の人は安いオンライン版を選択します。

ここで、全く魅力的でない「おとり」の選択肢②を入れることで、ほとんどの人は③のセット契約に誘導されます。

おとりの選択肢が、販売の促進につながるのです。

行動経済学の例を実際の新聞購読プランで確認してみる

以上が私の話したくなったネタです。

ところで、上で述べた実験の購読プランは、エコノミスト誌の「実例」を用いているそうです。

では、このような価格戦略の例は日本でも実際に見られるのでしょうか?

 

気になった私が調べてみたのは日本経済新聞の購読プランです。

日経新聞の購読申し込みサイトを確認してみると、

平成31年1月22日現在の購読プラン(個人向け)は以下のようになっています。

日本経済新聞(電子版)   月額4,200円

日本経済新聞(宅配)    月額4,900円

日本経済新聞(宅配+電子版)月額5,900円

紙の新聞が4,900円なので、+1,000円で電子版も購読できると考えると安く見えます。

そのように考えて、電子版を購読している人も多いのではないでしょうか。

ここで宅配だけのプランを除外してみると、

日本経済新聞(電子版)   月額4,200円

日本経済新聞(宅配+電子版)月額5,900円

電子版だけで十分な気がしてきた。

 

やはり「宅配のみ」という選択肢が、セット契約の「お得感」を演出しています。

他の新聞も調べてみましたが、だいたいこれと同じような感じです。

どうやらアリエリー教授の実験で用いられていたような価格設定は、新聞の定期購読プランにおいて、かなり一般的なようです。

行動経済学の入門書を読んでみよう

いかがだったでしょうか?

行動経済学は、心理学と経済学が融合したものです。

様々な実験が行われており、事例を読んでいくだけでも楽しめます。

入門書もたくさん出ているので、1冊手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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